【中古マンションの火災保険】知らないと損!付けるべき補償内容は?

はじめに
新築や中古に限らず、マンションを購入した際には火災保険の加入が付きものです。
特に中古マンションは設備が古くなっていることも考えられるため、物件に見合った補償内容を選ばなければなりません。
そこで今回は、中古マンションを購入したときに付けたほうがよい火災保険の補償と、保険料を節約するためのコツをお伝えします。
中古マンション購入時に付けるべき火災保険の補償は?
住宅の火災保険は「建物または家財もしくはその両方が、事故により損害が発生した場合」に保険会社から保険金を受け取ることができます。
保険金の受取額は、発生した損害を元通りに戻すため必要となる金額が下りてくることが一般的。
そして、中古マンションで備えておくべきは老朽化による損害です。例えば「配管から水漏れが発生した」「インターホンが故障した」などが例として挙げられます。
これらを予見し、想定できる事故に備えた保険に加入しておくことが重要です。
以下では、中古マンションを買ったときに付けるべき補償をご紹介します。
補償その1:給排水設備事故の水漏れ等による損害
この補償は、給排水設備が何らかの事故によって水漏れを起こし、床・壁・天井などが被害を受けた場合に適用できます。
例えば、天井裏の給排水管が老朽化によって水漏れを起こし、室内の天井や壁を濡らしてしまった場合などが対象です。
中古マンションの場合、老朽化による排水管からの水漏れリスクが新築よりも高いため、この補償を付けておいた方がよいでしょう。
尚、床・壁・天井は火災保険の対象ですが、配管は”老朽化による損害”のため、火災保険の対象にならない可能性が高いです。
その場合、配管の損傷箇所によって区分所有者またはマンション管理組合で配管の修理費用を負担することになります。
補償その2:建物付属設備電気的・機械的事故特約
電気的・機械的事故特約は中古マンションの自室内に固着している電気設備・機械設備が破損した場合に使える特約です。
この特約を付けることにより、下記のような損害から自身を守ることができます。
- インターホンの電子基板が破損し、画面が写らなくなってしまった
- エアコンの室外機の電子制御盤に亀裂が発生し、故障してしまった
注意しないといけない点は「自然消耗」「劣化」「摩耗」に類する損害は保険の対象にならないこと。そのため、電気機械設備が故障したら無条件に補償される訳ではありません。
しかし、特約保険料があまり高くないこと、保険期間中に追加できないことが多いことから、できれば付けておいた方がよいでしょう。
中古マンションの火災保険|節約するコツは?
続いて、中古マンションの火災保険料を節約するコツを2つご紹介します。
節約のコツ1:不要な補償は外す
マンションの中層階から高層階に居住する場合、洪水で室内が損傷する可能性は高くありません。そのため、床上浸水や土砂崩れによる災害からマンションを守る水災補償は不要であることが多いでしょう。
また、見舞金の役割を果たす「臨時費用保険金特約」や、風災の補償条件を変更する「風災・ひょう災・雪災支払条件変更特約 」が存在します。
保険代理店と相談して、自身に不要だと思える補償は外したり、変更特約を付けたりすることで保険料を安く抑えることが可能です。
節約のコツ2:できれば長期一括で加入する
火災保険は1年契約で加入するよりも、長期一括で加入した方がお得です。
長期一括契約を結ぶことによって、保険会社と保険代理店の事務コストが下がります。その分、保険料が安くなるという仕組みです。
例えば、1年契約と10年一括契約を比較すると、およそ2年分(18.07%)の保険料を節約できることになります。
上手に選んで賢く備えよう
住宅の購入は人生で大きな買い物のうちのひとつ。中古マンションの特性と保険料を抑えるためのコツを学び、しっかりとした火災保険に入れば、安心して中古マンションを購入できます。
これから中古マンションの購入を検討している方は、この記事を参考にして頂き、中古マンション購入の検討材料としてぜひお役立てください。
松本陽太郎
会社員兼ライター。損害保険会社と不動産会社を経験。地震や台風など、さまざまな
災害現場を見てきた経験を基に情報発信しています。業務効率化とサウナが趣味。