中古マンション購入後のリフォームが想像よりかなり大変な理由

はじめに
中古マンションを購入する際に検討されるのが、間取りなど全てをリフォームできるのならば、理想の住まいが新築の購入よりもトータルで安く手に入るのではないか、というものです。
物件を安く手に入れることができれば、リフォームに十分な予算を割り当てられるため、考え方としては間違ってはいませんが、簡単なことではありません。一方では、既にリフォーム(リノベーション)された中古マンションを購入する方が良いという意見もあります。
果たして、どちらが有利なのか、それぞれ解説して比較することにします。
なお、中古マンションにおいて所有者がリフォーム可能な範囲などは、すでに承知の前提で進めて参ります。
中古マンション購入後にリフォームする場合
まず中古マンションを購入後にリフォームするケースについて考えてみます。
メリットはオーナーの希望をプランに反映させやすい点ですが、デメリットもあります。
費用
物件購入費用の他にリフォーム費用を別途確保する必要があります。
希望するリフォームプランを見積もりしたときに、予算内で収まれば問題はありませんが、予算がギリギリならば予算を増やすか、プランを妥協しなければなりません。
工事中の課題
リフォームプラン、特にフルリフォーム(リノベーション)となると、工事中は仮住まいでの生活、もしくは入居は工事完了後という状況もあり得ます。
上下階および左右の住戸の入居者から、リフォーム工事に関する騒音クレームなどもリスクとてしてはあります。工事業者が頻繁に出入りすることも快く思わない人もいるため、トラブル予防や対策は入念に行うべきです。高層階なら部材等の運搬が難しい可能性もあります。
エレベーターの使用など、管理会社や管理組合との交渉も想定しておきたいところです。
階段での運搬となる場合、運搬料の追加の有無などもチェックすると良いです。
リフォーム済み中古マンション購入の場合
リフォーム(リノベーション)済みの中古マンションでは、オーナーの希望プランではないとしても、
- 新築感覚で生活できる
- 物件費用にリフォーム費用が組み込まれている
- 比較的グレードの高い設備機器が設置されている
- 他の住戸より資産価値が維持されやすい(売却しやすい)
という点がメリットです。
何より住宅ローンとは別にリフォームにおける費用(リフォームのための融資やローン)の負担が不要であることが大きいです。
デメリットとしては、リフォームやリノベーションされた中古マンションの数が少ない点です。立地などの選択肢も無いに等しいため、納得するまで時間が必要なケースもあります。
どちらが有利か
中古マンション購入後にリフォームするか、既にリフォーム済みの中古マンションを購入するか悩みどころではありますが、費用負担に注目すべきです。
購入後のリフォームでは、新築よりもトータルコストが高くなるケースもあります。なぜならばリフォームのための費用が確定ではないからです。
予算次第では小規模なカスタマイズ程度で我慢を強いられることも。
それを考えるとリフォーム済み、もしくはリノベーション済みの方が、おすすめと言えます。
まとめ
リフォームより一歩進んだリノベーション済みの中古マンションに、注目が集まっています。
まだ全国的にも物件数は少ないですが、検討の価値はあります。必然的に競争率が高くなるため、興味を持った時はすぐに、オンライン内見をおすすめします。
福岡覧斗(フクオカランド)
分譲マンションの水廻り設計技師から2006年に広告メディア運営で独立。SEO会社との提携で磨いたコンサルティング経験に基づくライティングが強み。不動産メディアでコラムも執筆中。宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。