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買い換えたマンションでも住宅ローン控除は適用できるの?

買い換えたマンションでも住宅ローン控除は適用できるの?
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1.はじめに

 

この記事では、「住んでいるマンションを買い換えたいけど、まだ住宅ローン控除の年数が残っている。新しいマンションでも住宅ローン控除は適用できるの?」という疑問をお持ちの方向けに、買い換えたマンションで住宅ローンを受けられるかどうかについて税理士が解説します。

 

結論からいうと、買い換えたマンションでも住宅ローン控除を受けることはできますが、住宅ローン控除を諦めて他の特例の適用を受けた方がお得な場合もあります。

 

2.住宅ローン控除の主な適用要件

 

住宅ローン控除の主な適用要件は次のとおりです。

 

  • その年12月31日時点で居住している自宅に対する住宅ローンがあること
  • その住宅ローンの返済期間が10年以上であること
  • 居住を始めた年、その前2年間、及びその後3年間の合計6年のうちに、住宅の譲渡益に対する特別控除または課税の繰り延べの特例の適用を受けていないこと

 

ここで、「過去に住宅ローン控除の適用を受けていないこと」という適用要件はありませんので、買い換え後のマンションであっても住宅ローン控除の適用を受けることができます。

 

また、住宅ローン控除の適用期間に関する制約もありませんので、たとえば買い換え前のマンションで6年間住宅ローン控除を受けていた場合でも、買い換え後のマンションで10年分の住宅ローン控除を受けることは可能です。

 

3.住宅ローン控除との併用可否

 

自宅マンションの売却によって売却益または売却損が出た場合、一定の要件を満たせば各種特例の適用を受けることができます。このうち、売却損が出たときの特例は住宅ローン控除と併用できますが、売却益が出たときの特例は住宅ローン控除と併用できません。

 

 ケース  課税の特例 住宅ローン控除との併用
自宅マンションの売却益

が出たとき

  •  3,000万円の特別控除
  • 軽減税率の特例
  • 買い換えの特例    (売却益の課税繰り延べ)
  不可
自宅マンションの売却損

が出たとき

譲渡損失の損益通算・繰越控除   可

 

つまり、自宅マンションの売却益が出た場合は、次のどちらかの適用しか受けることができません。

  • 自宅マンションの売却益に対する課税の特例
  • 買い換えたマンションに関する住宅ローン控除

 

そうすると、買い換え後のマンションで住宅ローン控除を受ける要件を満たした場合であっても、住宅ローン控除を受けることを諦めて、買い換え前のマンションの売却益に対する課税の特例の適用を受けたほうがお得なこともあります。

 

以下では、2つのケースを元に、どちらの適用を受けるべきかの損得勘定例を紹介します(2つのケースは、全ての特例の適用要件を満たしているものとします)。

 

4.ケース別の損得

 

ケース1:自宅の売却益が6,000万円だった場合

 

住宅ローン控除による減税額は、原則として最大500万円です。

 

一方、自宅の売却益が6,000万だった場合の税額は約920万円です。自宅の売却益が出た場合の特例のうち買い換えの特例の適用を受けることができればこの売却益を将来に繰り延べることができますから、自宅を売ったタイミングで発生する税金も0円となります。

 

買い換えのタイミングでの節税効果という意味では、ケース1の場合は住宅ローン控除を諦めた方がお得です。

 

ケース2:自宅の売却益が600万円だった場合

 

自宅の売却益が600万円だった場合の税額は約92万円です。

 

一方、ケース1で紹介したとおり住宅ローン控除による減税額は最大500万円ですから、ケース2の場合は住宅ローン控除の適用を受けた方がお得です。

 

5.まとめ

 

以上、買い換えたマンションの住宅ローン控除について解説しました。

 

①買い換え後のマンションでも10年分の住宅ローン控除を受けることは可能

②買い換え前のマンションで売却益が出る場合は住宅ローン控除を諦めて売却益に対する課税の特例の適用を受けたほうがお得なこともある

 

の2点がこの記事のポイントです。

 

安藤正三(あんどうしょうぞう)

税理士事務所代表。個人の税金(所得税や相続税)を得意としています。税金の「困った」を「分かった・助かった」にできるよう日々活動しています。

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