リノココ住み替えガイド

ケースで学ぶ不動産売買と相続登記

ケースで学ぶ不動産売買と相続登記
シェア ツイート

はじめに

 

今回は、不動産を売却する際によくあるケースをとりあげて、その流れを見ていきましょう。

 

鈴木さん(仮名)のケース

 

先月の10日、鈴木家のお父さん(雅治さん・仮名)が亡くなられました。雅治さんは、奥さんの敏恵さん(仮名)と一緒に神戸にある雅治さん名義の土地・建物に居住しています。長男の義政さん(仮名)は名古屋に家族を持って居住しており、また長女の由美さん(仮名)は結婚して大分に住んでいます。

 

お母さんの敏恵さんは、神戸に一人残されてしまいました。またこの不動産は、駅から坂道を15分ほど歩いたところに建っており、自動車の免許をもっておらず、今年75歳になった敏恵さんにとってはそろそろ生活が大変になってきました。

 

不動産店に売却の相談

 

そこで、子供たちに相談したところ、この不動産を売ってしまって駅の近くにワンルームマンションを借りて住んだらどうかという話になり、さっそく翌日敏恵さんは駅前にあるエース不動産に相談しに行きました。

 

エース不動産の営業マンの佐藤さん(仮名)は、不動産登記簿を確認しながら「奥様、こちらの不動産なのですが、現在は鈴木雅治様の名義になっています。この方はご主人ですか?」そして、敏恵さんが「はいそうです。先月亡くなりました」そう答えると、佐藤さんは「そうですか。それでしたら、まずは相続の登記をしてからでないと売り出すことができないのですよ」そう説明されました。

 

司法書士に相続登記の依頼

 

敏恵さんは、佐藤さんから司法書士の松井さん(仮名)を紹介してもらい、さっそく相続登記を依頼することになりました。

 

司法書士の松井さんから、まずは雅治さんが生まれた時から亡くなるまでの戸籍謄本など登記に必要な書類を役所ですべて集める必要があるとの説明を受けましたが、司法書士は職権(職務上請求)といって、依頼を実現するために必要な書類を委任状なしで取得できるとも説明されたので、敏恵さんはすべてを司法書士の松井さんに任せることにしました。

 

また、印鑑証明書も必要になるが、これは司法書士が取得できないため、相続人がそれぞれ自分の分を取得してもらうように言われたので、これまでの経緯を長男の義政さんと長女の由美さんに話すついでに印鑑証明書も取得してもらうように伝え、いよいよ売却の準備に入ることになりました。

 

それから、2週間ほどたったころに司法書士の松井さんから電話があり、相続登記に必要な書類がそろい、署名押印を要する書類の作成も完了した旨の連絡を受けました。

 

遺産分割協議書

今回の相続は、義政さんと由美さんは自分たちの相続分は取得せずに、お母さんの敏恵さんにすべてを取得してもらうことにしましたので、その敏恵さんの単独名義にするための内容を記載した「遺産分割協議書」も松井さんに作成してもらうようお願いしていました。
敏恵さんは、松井さんの事務所を再度訪問し、署名押印の必要な書類を受け取りました。敏恵さんは、自分の署名押印を済ませから、名古屋の義政さんと大分の由美さんにそれぞれ署名押印をお願いしました。

 

その後、司法書士の松井さんは、事務所あてに返送されてきた「遺産分割協議書」と3人の印鑑証明書を確認して、問題なかったので管轄の法務局に登記申請をしました。

 

それから、10日ぐらいして松井さんから再び連絡があり、登記が完了した旨の報告を受け、権利証(登記識別情報)と敏恵さんの名義に変わった登記簿謄本を受領しました。

 

不動産売却

後日、敏恵さんは相続登記の完了書類をエース不動産に持参し、正式に営業マンの佐藤さんに再度売却の依頼をしました。それから約1か月後に買主さんも決まり、代金の決済も問題なく完了したため、無事に不動産の売却手続きが終わりました。

 

敏恵さんは、後日駅前のワンルームに引っ越しをして、現在は不動産の売買代金と年金でゆったりと過ごされています。

 

さいごに

 

これが、一般的な不動産売却前に相続手続きが必要となる場合の流れとなります。
相続関係が複雑な場合もありますので、司法書士にご相談されると相続から売却までがスムーズに進みます。

 

ケイ(司法書士)

昭和47年生まれ  大学卒業後、10年間小中学生の学習指導に携わり、平成19年司法書士資格取得。補助者として2年、資格者として14年間司法書士業務を経験し、不動産登記、商業登記、裁判手続、成年後見業務、債務整理、相続関係など、すべての分野を取り扱う。

シェア ツイート

カテゴリ

タグ

人気の記事